『MIU404』感想( ネタバレ注意)

最近『MIU404』という警察ドラマにはまってます。お話のつくりがちょうど好きな感じでとてもよい。

4話『ミリオンダラー・ガール』、ものすごい好きだったんですけど、あの話こそまさに『MIU404』ここに極まれりというか、一瞬を生きて死んだ人間の思いを全力で描いた話って感じでした。1億円をもって逃げたとき、青池透子は不幸だった。もちろん、他人から見てではなく、本人から見てという意味で。逃げた瞬間は、隊長が最初に考えていた通り、警察への失望と社会への恨みでいっぱいだったんじゃないかな。その感情が、伊吹が指摘した防犯カメラの「言いたいことがいっぱいありそうな」表情。ここからの展開で、伊吹と志摩に助けられて更生するor更生したが死ぬ(=社会的に見た成功であり物語のハッピーエンド)」になると思ったら違った。もう、完全に予想を裏切られました。青池透子は、1億円を「自分が善と信じたこと」に賭け、死んでいく。「とても価値があるものなの」と話すときの満面の笑みと、死ぬ間際に見たトラックの演出は、青池透子の不幸な人生が幸福な人生に変わった瞬間を示していて、すごかったです。トラックのシーンで『感電』かかるのほんと攻撃力高すぎて耐えられない……。その後、登場人物が青池透子の行動についてあれやこれや言ったりしないし、1億円がどうなったのかも明示されずあっさりと終わってしまうところが最高でした。

最新話(6話)はまたしても完全に(いい意味で)演出に騙された! だってまさか屋上に行ってなかったとは。そんなん思いつかんわ! 志摩が屋上で相棒を励まして、それを聞いた相棒はなんと答えたのか?っていうのが、志摩の後悔の源であり話の肝だと思って観ていたら志摩はそもそも屋上に行っていなかったんですよ。「志摩が屋上で相棒を励まして」っていうのは、志摩が「こうしていればよかった」と頭の中で繰り返していたシミュレーション映像であって、現実ではなかった。やらない後悔よりやった後悔。深い。そして綾野剛くんめっちゃいい演技するな~伊吹はほんといい奴。

そういえば、九重くんは福岡出身ということで個人的にすごく親近感があるんですが、九重くん役の岡田さんって本当に福岡出身なんですね! すごい応援したくなってきたw 九重くん、回を追うごとに精神的に成長してきてるし、真面目な天然発言で第4機捜のマスコット化してきていて可愛い!

『MIU404』の、テーマ性が押しつけがましくないというか、社会問題を扱いながら善悪を「判定しない」感じがとても好きです。なにが正しいとか正しくないとかでなく、ただそこに生きる人々の「瞬間の」激情が描かれていて、引き込まれます。2話以降、今回は泣かずに見るぞ~と思って見始めても最終的に涙目ですよ。クライマックスに合わせて米津の曲が流れるのほんとずるい。1話完結型なので中だるみしないし、毎週楽しみです(*・ω・)

今夜の7話も楽しみです。きんぐぬー。